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2007年12月 アーカイブ

2007年12月10日

幕坪かぶ

岩手のマイさんが、遠野の幕坪カブという変わった伝統野菜を送ってくれた。
ひょろりと細長く、カブというよりは大根のよう。
宇治田さんのところから冬になると届くヒノナカブを大きくしたみたい。
さっそく摺りおろしてみる。ツーンとした香り。

お昼ごはんはうどんに決まり。
昨日お会いした方が、「長野に行ったらおしぼりうどん!」「辛み大根をしぼって、それでうどんたべるんだよ。クルミとか、ネギとか、ごまとかおいて。これが二日酔いの朝に、いーんだ!」とおっしゃっていたのを思い出し、私もこれでおしぼりうどんやりたい!と思ったのだ。

ちょうど棚の中に氷見うどんがあったから、それをゆでる。
幕坪カブをおろし、さらしネギを作り、のりもちぎって、出しつゆを入れ。
おろしたカブをたくさんそば猪口に入れる。ヒイー辛い!
大根みたいと思ってなめたらいけない。これはわさびだ。
だけど不思議。食べているうちに朝からの試食でどっしり重かった胃が、すっきりとしてくる。クルミも刻んで入れてみる。おいしい!
これ、そばとよくあうだろうなあ。

その後、家を出て、打ち合わせに向かっている途中、
ア!あの味はホースラディッシュの親戚だなあ、と思う。
きっと、ローストビーフとも抜群の相性だろう。
明日は北海道で教わった、ホースラディッシュごはん(醤油を混ぜてごはんにのせるだけ)にして、食べればいいんだ。
スタッフのみんなにも食べさせてあげよう。
とても独特な、大きな可能性を秘めた薬味だ。

そういえば、と思って、家に帰って本棚を探してみたら、あったあった。
このかぶ、『厳選食材図鑑』VOL.1岩手(山口北州印刷株式会社019−641−0585)という本に紹介されている。
かぶの後ろにあるストーリーを読むとなおさら、いとしいものに思えてくる。
この本には、他にもよだれの垂れそうな食材がたくさん載っている(取り寄せ先も)ので、
よい生産者やおいしいものを探しておられる方には、とてもおすすめです。

日時: 2007年12月10日 21:11 | パーマリンク | コメント (0)

2007年12月14日

世田谷婦人会

先週から撮影が続いている。
撮影が終わると、大量の食材に追われることになる。
そこで始まるのは、婦人会ごっこ。

先日はいわし。
漁港のものを一山で買って送っていただいたので、
夕方、撮影が終わっても100尾以上残っている。
どうしようかな、オイルサーディンって気分でもないしな。
「そうだ、骨まで食べられるイワシ缶を作ろう!」
さっそくイワシ缶詰(缶にはつめないけど!)を作ることに。
助手のイケダさんと魚をおろしながら、
「今日は銚子婦人会だね。」
魚を左から右へと渡し、漁村の気分。
「梅風味」と「みそ風味」に煮て、
山ほど出来上がったので翌日スタッフの方たちに持っていってもらう。

続いて白菜。
大きな白菜がごろんごろん。
「今日は韓国のオモニの婦人会」
みんなで、大根を突いたり、梨を摺ったりして、キムチ作り。
その日はちょうど、牡蠣の開け方を助手たちに教えようと思って生ガキを取り寄せていた。
キムチを作る途中に、それを白菜でつるりと包んで、つまみ食いをする。
手作りをしなければ味わえない、立ち食いの楽しさよ!

梅のヘタとりや栗の皮むき、クルミのから割りに、大根の千切り。
夜の台所でひとり、単調な作業を黙々とやることも、私は実は大好きなのだが、
こうやって、女たちでわいわいと手を動かすことには
DNAにしみ込んだような楽しさがある。
時間があっという間に経って、テーブルの上の大きな鍋やボウルがいっぱいになるのも晴れ晴れとすることだし、
できあがったものを分け合える相手がいる、というのもまた心の踊ることだ。

こういう婦人会作業は、べつに古い田舎の一軒家でなくとも、
都会のマンションでだって、うちのような小さな台所でだって、
実はどこでもできる。
そして、私たちのからだの中には、綿々と続いてきた生活の知恵や
季節への感応が眠っている。

「こないだ漬けたの、すっごいおいしくできあがってるよ!あとで食べようね。」
とこっそり耳打ちしながら、今日もはりきって撮影仕事をこなす、
世田谷婦人会である。

日時: 2007年12月14日 11:25 | パーマリンク | コメント (0)

2007年12月20日

甘酒でパンを焼く

玄米で作った甘酒を飲みながら、
パンをこねているうちに、
ああ、甘酒パンも作ろうかと思い立ち、もう1単位、粉をこねた。
少し全粒粉も加えて。

いつもの天然酵母と比べて、発酵が遅いので、酵素玄米のジャーの上で、ほったらかしにしておいたら、ゆっくりと起き上がってきた。成形してからもゆっくり最終発酵。
焼き上がりすぐはほんのり甘い酒の香りがしている。食べると、砂糖も蜂蜜も入れていないのに、しっかり甘みがある。所々、玄米のつぶつぶ感があって、おいしいなあ、これ。
大根と豚肉の煮物、と一緒に食べた。

しかしパンの断面を眺める私の顔を見て、
「試験管をのぞく科学者みたいな顔をしとる。」と家族がいう。
ああ、仕事でもないのについ。

日時: 2007年12月20日 23:00 | パーマリンク | コメント (0)

2007年12月21日

TVディナー

夕方打ち合わせから帰ってきて、書斎で仕事をしていたら、
「今日の晩ごはんはどうする?」と家族がそわそわ言う。
「え、もうおなかすいた?」と聞くと、いや7時からホソギカズコスペシャルが見たいのだと言う。みそ汁の準備だけはしておいたと。時計を見ると6時50分。
ふふそれならば、と賄いの時に使っているプレートを取り出して、
残り物やら冷蔵庫の有り合わせで、ささっとTVディナーを作ってみた。
これを一人一盆ずつ二階にもってあがって、
布団の中に座り、お行儀悪くテレビを見ながら食べようと言うわけだ。
「なんか、こういうのっておいしいね!」
「全部ぺろっと食べちゃった。みかんも食べよう。」

テレビを見ながらの食事は、ちっとも食べている実感がわかない上に、
味にも集中できたものじゃない。
それでもたまには、こういう遠足みたいな、
ばかばかしいことが楽しい。

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日時: 2007年12月21日 21:59 | パーマリンク | コメント (1)

2007年12月23日

冬休みの準備

今年はさっさと冬休みに入ろうと思っていたら、
編集者の友人からこんなメールが来た。

___________________________
・・・ちなみに、冬休みに本を読む予定があるなら
読書計画には
「僕と1ルピーの神様」を絶対加えてください。
今年の後半で読んだ本のなかで、
一番、ただしい小説、っていう感じの面白い本だった。
あとはね〜
私の勘で、いま美里ちゃんが楽しめそうな気がする本は
・結婚のアマチュア アン・タイラー
・からだの贈り物 レベッカ・ブラウン
だ〜。
__________________________


下のは読んだことがあって、
確かに『からだの贈り物』は今の私にぴったりかも!よくわかってるね、
と思ったので、『僕と1ルピーの神様』をさっそく注文した。
楽しみだ。

こんなふうに、「おすすめ」されることが、わたしは好きだ。
最近これ気にいってるんだよ、ってCDに音楽を焼いてもらったり、
この展示、好きだと思うよ、と連れて行かれたり。
誰かと食事に行くときの場所は、相手に選んでもらうことの方が圧倒的に多い。
それは意外のように思われるらしいけれど。

さて、そんなわけでもうすぐ冬休み。
せっせと仕事を片付けなくっちゃ。

日時: 2007年12月23日 18:28 | パーマリンク | コメント (0)

2007年12月27日

なんとのどかな

中学生の頃に「今日はこっちの路から」とたまに、
ちんたらちんたら歩いていた学校の細い帰り道を、
母と共に散歩する。
コートを着ずとも、ぽかぽかあたたかい。
先日まで東京の私の家(シベリヤの家の呼ばれている)に一緒にいた母は
「冬じゃないみたいじゃねえ。つくしが出そうじゃねえ。」と久しぶりの瀬戸内性気候に驚いている。
波のちゃぷんちゃぷんという音、青い空にみかんのオレンジと緑色。
なんとのどかな。
思春期の頃、この路を友人たちと笑いながら、
時にひとりで泣きながら、歩いたものだった。
箸が転んでもおかしかったし、小さな一言に深く傷ついた。
感受性の元はすべて、この場所で育まれた。
あは。

今日は何を料理しよう。
懐かしい魚がたくさん。

日時: 2007年12月27日 12:12 | パーマリンク | コメント (0)

2007年12月31日

life is

黒豆の炊けるよい香りがする。
もうすぐ2007年も終わり。

実家でヤフーメールを見ていると、大切なメールが時々
迷惑フォルダに入ってしまっている。
特に外国から届いたものは、そう。
注意してチェックしなくてはならない。
さっき昨日届いたものを見ていると、タイ人の親友、ピンクからのものが紛れ込んでいた。

「知らせたいことがあってメールを打っています。
2日前、ダッドが、事故で亡くなりました。
あなたは、このことを分かち合いたい人だから。・・・」

あまりにびっくりして、声が出ない。
ピンクのお父さんトニーとは、およそ10年前に日本のパーティで知り合った。
その後バンコクで、「うちの娘と君は絶対に合うと思う」とピンクを紹介された。
だから、トニーがいなければ、私はピンクと知り合うことはなかった。
そのトニーが、亡くなったという。
ピンクは10日ほど前に、インドから電話をくれたばかりだった。
クリスマスはバンコクで過ごす、ダッドにも会いたいし、と話していた。
そのダッドが、事故で亡くなったと言う。

今年、私の身に、大きな事が降りかかってきたとき、
私はピンクへのメールに
Life is more interesting than novels!
と書いた。
ピンクは驚いて何度も電話をくれたが、
時が流れ、山を越え、
何か小さなことが起こる度、私たちは
「life is interesting, life is so funny!」
と笑い合った。

ピンクのメールには、
「misato, life is really interesting」
と書いてあった。
そして、「涙がかれるほど泣いて、
強くならなくてはならないんだと気付いた」と。

今年は私にとってもまさに、そんな年だった。
Truth is stranger than fiction.
Life is so interesting.
穏やかな気持ちで、年を越せることを
本当にありがたく思う。
台所で作りかけのおせち料理が
私を呼んでいる。

日時: 2007年12月31日 12:06 | パーマリンク | コメント (0)

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