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2008年04月 アーカイブ

2008年04月06日

いつの間にか4月 (パンの本ができました!)

書いても書いても先が見えない、
が、書かなくては仕事が終わらない。
桜は咲き、散っていった。
アッという間に、一ヶ月が経った。

だんだん手の甲の中指と人差し指につながる筋が、
腱鞘炎になって来た。
いくら料理をしても、こんなところ痛くなったことはないよ!
何なんだ、このいたみは!

そんなわけで、原稿書きに行き詰まっては、
下に降りて、新しいスタッフの顔を見て気を紛らわせる。
「先生、この賞味期限が切れたくず湯、どうしますか。」
「プッ!風邪気味だからショーガでも入れてあたしが飲むわ。」
とか
「この台、もうなくしちゃおう!台所を広くしよう!」
「そうしましょう。」
なんて話していると、少し頭が軽くなってくる。

そしてもう2階の書斎に上がるのはやだ!と思ったら、
このできたての本を取り出す。
「この本だって、出来上がるまでは大変だったもんねえ。そうだよねえ。でもちゃんと本になってるもんねえ。いつか、終わりはあるよねえ。そうだよねえ。」
「先生、それ大事です。」
スタッフに慰められる。

彼女が帰った後、私はひとりでパンをこねる。
手の甲に変ないたみがあっても、国産小麦と天然酵母のパンなら、
ゆっくりこねればいいから大丈夫。
強い力は必要ないし、マイペースにこねているうちに、
頭にのぼっていた血が降りて来て、
気持ちが休まり、ちょっと別の発想をしようか、という気分にもなる。
あとは、ボウルに入れて袋をかぶせ、(今の時期なら)朝までほったらかしにしておけばよい。
翌朝1次発酵が終わったものを、一度つぶして、成形し、
天板の上で膨らませて焼くだけ。

書く仕事が増えれば増えるほど、
パンをこねることが、極上のリラックスになってきた。
この作業は、頭脳から肉体、に戻してくれる。
しかも、天然酵母のこのゆっくりパンは、
ぴりぴりとした仕事の傍らで、
勝手に育っていくおおらかさがある。
発酵時間に神経質になる必要も無い。

そんなのんびりとした、普段着のパン作りの本を作ってみた。
とはいえ、いつもいつも、家の中でゆっくりとパン生地を見守る訳にもいかないのが実際だ。
こねはホームベーカリーに任せることだってあるし、
発酵まで機械の温度管理に頼ることもある。
くたびれているけど翌朝焼きたてが食べたいと思えば、
材料を入れるだけで、最後まで機械に焼き上げてもらうことだってある。

日々のパン作りというのは、そんなもんだろう。
臨機応変、融通無碍。
オーブンでも、ホームベーカリーでも。手ごねでも、機械ごねでも。
それらのどれにでも対応出来るような、本を作りました。
『おうちで天然酵母パン』(翔泳社)4月8日発売です。


日時: 2008年04月06日 16:49 | パーマリンク | コメント (2)

2008年04月07日

次回のラジオはあさって

朝のNHKラジオ「ラジオビタミン」。
先週のニンニク菜の花丼はいかがでしたか。
声の料理、私も初めて聞きましたが、
すごく可能性を感じています。
料理の音だけではなくて、いろんなお話も交えながら、
これからもやっていけたら、と思っています。

しかし、「ラジオ」というメディアは、今、どうなんだろう・・・
私のように、テレビがろくろくうつらない(やっとうつるようになったけど見る習慣が無い)人以外に、ラジオを聞いている人っているんだろうか・・・
と正直思っていましたが、
意外なところから「聞いたよ!」という電話があって、
(徹夜明けのアニメーターさんとか、車を運転中の知り合いとか、オフィスの人とか)
びっくりしました。
私も台所ではラジオをよく聞きます。
特に、ヘタとりとか、皮むきとか単純作業をする時のBGMにとてもよい。
今は、台所でスタッフのまきさんが、J-WAVEを聞きながら、オーブンを磨いています。

さて、次回の放送はあさって、4月9日。
前回と同じように、だいたい9時すぎでしょうか。
NHK AM第1放送『ラジオビタミン』の中の「私の愛情レシピ」です。
春の料理、どうぞお楽しみに〜。


日時: 2008年04月07日 11:45 | パーマリンク | コメント (0)

2008年04月09日

春の味

知人から突然、発泡スチロールが届いた。
中を開くと、小さな鯛や麦イカなどが入っている。
うれしいいいい!

何を隠そう、私は、麦イカが大大だーい好き。
おそらくそのことをご存知で、
なおかつ、今私がとても麦イカを買いにいける状況に無い、
ってことも察してくださっての贈りものだろう。
「春の魚を食べて、元気をつけてください」と書いてある。
こういう気づかいを、私もさらっとできるようになりたいよ。

麦イカはするめいかの子供。
麦の実るこの時期にだけとれるから、麦イカ、という。
大人のするめいかより、うーんと柔らかくて、甘くて、
お刺身はもちろん、軽くソテーしたのとか、
2、3分でプルッと煮つけたのとか、もうことばを失ってしまう!
新しいものなら、肝ごとソテーして、肝を崩しながら食べるのだ。
ああ、この時期にしか食べられない春の味。
今年はうっかり食べ逃すところだった。

ちょっと気分転換に駅までの道を歩くと、
桜の葉は、日ごとに大きくなっているようで、
ああ、来週あたり、塩漬けにしたらいいのになあ、
という感じだった。

日時: 2008年04月09日 22:06 | パーマリンク | コメント (0)

2008年04月13日

テレビとラジオのお知らせ

ばたばたしていて、昨日のテレビのお知らせを忘れていましたね。
ごめんなさい。
来週も、土曜日に『にじいろジーン』出演いたします。
時間はいつもと同じ朝の9時半頃から、フジテレビです。

それから、ラジオの方は、明日14日。
その次は来週の月曜日21日です。

ぜひごらんに(お聞きに)なってくださいね。

日時: 2008年04月13日 20:51 | パーマリンク | コメント (1)

2008年04月18日

乾物大会

原稿書きが一段落して、下に降りたら、
マキさんが昼ごはんの準備をしながら、
「先生、今日はもち食べてもらいますからね。」
と言う。
「強制ですからね。」
「はーい。」と私。
彼女は、うちの台所の徹底大整理に乗り出したようだ。
「もうそのクローゼットは完璧にしますから。人間極めることが大事です。」
「はーい。」
テーブルの上のかごには、すぐさま消費するもの。
食器棚の前の箱には、1週間以内のもの、
棚のこの段は1ヶ月以内に・・・ときまっているらしい。
「きゃはは。」
と笑うと、
「先生笑い事ではありません。本気ですよ。うふふ。」
とやる気である。

職業柄、次から次へと食材が届くので、
油断すると、冷蔵庫とクローゼットはすぐにいっぱいになる。
特に今は、日々書斎の仕事に追われているため、
台所の大々的な整理が難しい。そこでマキさんの出番である。
この人はパズルのように隙間をうまく埋めて、この狭い台所に、
見事な空間を作り出していく。
ここのところ、撮影の無い日は、私はひたすらパソコンの前で原稿と格闘しているのだが、
下に降りるたびに、どんどん台所が進化しているのだ。

よって今日の私の晩ごはんは、乾物大会である。
箱の中に入っている乾物を取り出して、何作ろっかなーと考えるのも、よい気分転換。
今夜はレンズ豆とカリフラワーのカレー、ヒジキのガーリックマリネ、切り干し大根のオムレツ、高野豆腐とわかめのスープにした。
なんだか、からだの中も、台所もすっきりしそうなメニューでしょう。
ポイントは、タマネギとかネギとかつるんとしたものと組み合わせること。
さあ、仕事の続きをしよう。
頂上はもうすぐ。のはず。たぶん。


日時: 2008年04月18日 12:05 | パーマリンク | コメント (1)

2008年04月19日

『濱田美里の季節の手仕事帖』刷り上がりました!

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去年、一年をかけてじっくりと撮影した本が、ついにできました。
『漬ける・干す・保存する 濱田美里の季節の手仕事帖』(河出書房新社)
今月末発売です。
私の大好きな台所仕事を、たっくさん集めました。
梅仕事に始まって、らっきょうに干し柿、アップルティに西京漬け、
キムチにポン酢、干物からオイルサーディンまで(こんなのほんの1部分よー)。
実に盛りだくさんです。

この中の一つを作るだけだって、
「わあ、自家製ってこんなにおいしいんだ!」
とか
「漬けたてはこんなサラダみたいな味で、2週間経つとこんな味になるんだあ。」
とか
「あの人にもおすそわけしたーい!」
などと、いろんな気持ちの発見がありますよ。

それぞれの手仕事にまつわるはなしから、ちょっとしたポイント、
季節季節の気持ちや、出会ったおばあちゃんのことまで、
エッセイもいっぱい盛り込みました。

台所しごとの楽しさが、少しでも多くの人に伝わってほしいなあ。
刷り上がったばかりの本を見ながら、どきどきしています。

日時: 2008年04月19日 10:42 | パーマリンク | コメント (2)

2008年04月23日

音楽が戻って来た

今のマックブックを使い始めてからというもの、
i Tuneの中の曲目は前のパソコンから移行されているのに、
なぜか音が鳴らない!ということになってしまっていて、
わざわざCDを入れるか、新たに曲をダウンロードするか、しか
音楽を聴く方法が無かった。

昨日、インタビューにいらした方に、そんなことをお話ししたら、
「今、ここで鳴るようにしましょうか。」
と信じられないことをおっしゃる。
「ほ、ほ、ほんとですか!?」
とパソコンを和室にもって行ったら、
ちちんぷいぷいで、鳴るようになった。
すごい、すごすぎる!
(本当にありがとうございます!)

というわけで、私は今Sister Wynona Carrが
「each day!」
と歌っているのを聞きながら、これをうっている。
と書いていたら、ジャワのガムラン音楽に変わった。
ぼわんぼわんしている。
パーティシャッフルにしておくと、わけのわからない順番で
1曲1曲が流れていくので、何度も聞き込んだアルバムでも
新鮮に感じられて、おかしい。
今度はブラジルのカポエラになった。
ちなみに次はモーツアルトである。
カポエラは1分40秒でおわり、クラリネットの音になった。
あまり注意して聞いていると、文章のリズムがぐちゃぐちゃになってくる。

しばらく休んだら、やっぱり音は消して、
原稿書きに入るとします。
(キューバの音楽聞きながら、仕事なんてやってられないもん!)

日時: 2008年04月23日 10:16 | パーマリンク | コメント (0)

2008年04月24日

新潟の山の味

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出先から帰って来たら、
「新潟から山菜が届いていますよ!」

やっほー。
こごみにたらの芽、山ウドとこしあぶらがたっぷり。
そして、葉わさびのしょうゆ漬けの瓶詰め。
マキさんに半分持って行ってもらっても、まだまだたくさん。
晩ごはんは、山菜の天ぷらにすることにした。

実は私は、今日はちょっと体調が悪かった。
天ぷらも本当は、大丈夫かなあ、と思いながらつまんだ。
しかし!
口に入れたとたん、カラダが飛び跳ねた。
山菜ってこういうもののことを言うんだったー!
しっかり苦い。粘りもある。
ぐわんと山の生命力をつかんできたような、そんな味。
びっくりして、すぐに30個くらい、揚げたてを箱に詰めて、
大家さんにお裾分けした。

今月の初めにも、実家の母が、裏庭で育てているたらの芽を送ってくれた。
その時も、
「わあ、春の味だ。」
と喜んで天ぷらにしたけれど、今日のたらの芽は、まったく別物だった。
広島のものは、甘くて柔らかな味がした。
今日の新潟のは、そんな生やさしいものではない。
強烈な香り。勢い。
ああこれは、春に対する土の喜び具合の違いだろうと思った。
今か今かと雪解けを待つ、新潟の山の味と、
雪などほとんど降ったこともない、ぽかぽか瀬戸内海の春の味は、
違っていてあたりまえだ。

そして今日の私のように、ぼんやり眠ったカラダには、
「春が来たよー!!!」と、寒さを脱ぎ捨てた野生の味が、
とてもとてもありがたかった。

「葉わさびは雪解け後に花が咲いて、そうすると、辛みが薄れるって言うんですよ。だから、咲く前にとって、漬けたんですよー。だいたい4月の10日前後ですね。山菜は、全部、昨日山に入ってとってきたんです。とって来て、すぐに送りました。」
雪の残る山のわさびの味も、ツーンと鼻にきて、
私はちょっと泣きそうになった。


日時: 2008年04月24日 20:03 | パーマリンク | コメント (0)

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