料理研究家 濱田美里

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ガテン系オフィス

2017.06.05 │ ブログ

気がついたら2週間以上もブログを書いておりませんでした。

先々週の頭にスタジオの収納用家具と、書斎の本棚がようやくでき(本棚の方は以前のを持ってきて天井の高さに合わせて扉ごと切っていただいた。食器棚はこの部屋には高さが合わず、作り直し><)、
それからがようやく引越本番という感じで、ものすごい数の段ボールの中の食器と本をすべて出し、片付ける、というのを2〜3日でやったのでした。
死ぬかと思った。四十肩になるかと思った!

スタジオ部分はなんとか5月のお教室には間に合い、海側の眺めはお見せできたものの、
書斎側は扉を締め切って、山側のテラスの景色はまだ生徒さん達に見せてあげられませんでしたー。残念。

その後は、カーテンの裾上げやら、木のペイントやら、いらない収納容器の解体やら、
もうインパクトドライバーとか、ジグソーとか、工業用ミシンとか出してきて、
ガーガーギーギーやっていて、一体私たちは何屋なのかわからないありさまです。
でも楽しいですね。
マキさんとは引越しの度にこんなガテン作業をして、それももう3度目になるから、慣れたもの。
(私たち、一体いつからこんなにたくましくなったのか!?)

調理台や食器棚など、しっかりとした強度の必要なものは、もちろん毎回プロの家具屋さんに作っていただいているのですが、
今回は、新しい家具屋さんが、作りのことを色々説明してくださって、当たり前だけど、そうかこんな風に木や素材がくみ合わさってできるのか、
と思うと、何だか自分でもちょっとはできるような気になってきて、写真のパソコンデスクを作ってみました。

ただ、木を買ってきて、色をつけて、もともとあった細長い薄い棚を台にして側面と上面をネジでさしてみただけだけど、
マキさんに持ってもらって、インパクトドライバーでネジをガガガとうちこんでいくと、
「センセー曲がってます!」「キャー。もう一回やろう。」
「ねじに軍手の白い糸が絡まってるのが気になります!」「ちょっと笑わせないでよー。」
「あー、後ろから出てきましたー。」「やだ、ねじが長かった!」
とか、大騒ぎ。
それでもなんとか、できました。(細部は見ないで?)

私のような全くのど素人でも、「こわす」とか、「組み立て直す」とかやってみるのは、ものすごく勉強になりますねー。
構造がわかると、ものの見方が変わるって言うけれど、たしかに今さらながら、あらゆる家具を見る目が変わりました。
プロの家具屋さんの仕事ぶりにも改めて感謝ができました。
きっと、料理をしたことがない人が、一度でも、包丁を持ってみたり、下ごしらえから皿に盛られるまでを体験してみたら、
これまでただ食べていただけだったものの味わい方や感じ方が全然違うものになるのと同じことでしょう。
一度でもおいしくできたら、「自分でもできるじゃん!」と思えるしね。

私が一度でも魚をおろしてみたり、鶏をさばいてみたりすることが、その後の料理を変えると思うのはそのためです。
センスというのは、感覚的なふんわりとした、先天的なもののように語られることが多いけれど、
私は仕組みを理解したり体験することからも、きっと身に付くことなのではないかと思っています。
それこそが、大人が後天的に努力して得られる、成熟した楽しみなのではないかなあと。
5月の教室を無事に終えてみて、
続けていただければ、しっかり料理のセンスが身につく、
レシピがなくとも料理ができるようになる、そんな教室にしていきたいなあ、と改めて考えているところです。


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