料理研究家 濱田美里

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旬について

2017.07.13 │ ブログ

今日は大阪のスタジオで撮影でした。
神戸に来て外スタジオでの撮影は初めて。
阪急電車に乗って出かけてきました!
女子ばっかりの楽しい現場です。

こちらに来てから本格的に撮影の仕事を再開して気づいたことの一つに、「旬の短さ」があります。
旬になるとその季節のお野菜がドバーッと、それはそれは元気よく、ビックリするほどお手頃価格で、盛大に出回るのですが、
1ヶ月もするかしないかくらいでピタッと潔く無くなるのです。全く無くなるんです。
そして次の野菜、次の魚、という感じで季節が移り変わっていきます。
これって実は当たり前のことなんですよね。

でも東京に住んでいた頃は、全国の野菜が並ぶので、九州産から始まって北海道までいくまで、だいたい3ヶ月くらいのスパンがありました。
私はそれを旬だと思っていました。

雑誌の撮影はだいたい発売時期の2〜3ヶ月前に撮影しますし、早いものだと半年くらい前に撮るものもあります。
食材を撮影日までに集めることも私の仕事の一つですので、大体近隣のどのお店にどんなものがあるか、
この季節ならこれは間違いなく揃うけど、これくらいになるとちょっと厳しくなる、という感覚はかなりシビアに持っていたつもりです。
その感覚が神戸では通用しない。東京で感じていた時期よりもピークが1ヶ月くらい早く、その上あっという間に無くなります。
築地に行けばなんとかなる、とも思っていたんだなあ、自然に対して傲慢だったかもしれないなあ、と思い直しています。

住んでいる場所のそばでとれるものを、その時期にタイムリーに食べる、という暮らしは、
私が東京で頭で考えていた「地産地消」とか「身土不二」よりもずっとめまぐるしく、移ろい鮮やかなものだと、
(そしてあえて言葉を変えるならば不便なものだと)やっと気づきました。
そんなふうに3ヶ月「近くのもの」ばかりを食べてきたからだは、やはり以前よりも元気で、細胞が喜んでいるように感じます。
だって、季節と食べものと生きているからだがぴったり合っているんだもの。
産地と1ヶ月ずれるだけで、からだの感じ取り方がこんなに違っていたなんて、しりませんでした。

なのでこの環境は暮らすにはサイコーにありがたい。でもでも、撮影用の仕入れは思いのほか大変だなー。
これは住んで仕事してみないとわからないことですね。
頭の中の旬カレンダーを作り直して、仕入れや仕事の仕方をまた1から探っていく必要がありそうです。

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