料理研究家 濱田美里

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節分と伊勢うどん

2018.02.05 │ ブログ

今年の節分はお伊勢さんで迎えました。
神戸から車でたった3時間。
東京にいるときは、すごく遠く感じた紀伊半島が
あっという間で驚きました。

お伊勢参りの後は、お決まりの伊勢うどん。

10年くらい前に初めて伊勢うどんを食べたときは、「何これ!?ゆですぎ?」と思ったのですが、
どのお店に行ってもその食感だったので、どうやらこれが伊勢うどんというものなのか、としりました。
伊勢うどんを食べたことがない人の為に言葉を探すならば、
「のれんにうでおし」
のような食感のうどんなのです。
だけれども、食べていくうちになんだか病みつきになってきて、しまいには大好きになってしまった。
人の警戒心をここまで解き放つ食べものがあるだろうか!

昔の讃岐の人が「コシ」を求め、小麦グルテンの弾性を引き出すことにとことんこだわったとするなら、
伊勢の人は、小麦のデンプンをアルファ化させて、甘みを引き出すことの方に執心したのでしょう。
そのために一方では塩をしっかり加えてこねて寝かし、もう一方ではゆでてゆでて。
両者のうどんは目指す方向性が正反対だけれど、小麦のよいところを全然別のかたちで引き出している。
そのことがすばらしいなあと思うのです。
今ではどちらも大好きだなあ。

ふんわり、とーろり、やさしい食感のうどんをもぐもぐ食べて、
寒さも落ち着いてきた後は、おかげ横町をちょっと歩いて、
マキさんおすすめの赤福ぜんざいでおやつにして、
またサーッと神戸に戻りました。
楽しい小旅行だったなあ。


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