料理研究家 濱田美里

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らっきょう

2018.06.10 │ ブログ

商店街の「とっとりやさん」(私たちが勝手にそう呼んでいる鳥取のものがたくさん売られているお店)に
らっきょうが出ていました。
東京にいるときは砂丘らっきょうは高級品だったのに、
神戸ではその辺で普通に売られているのが面白い。(淡路の玉ねぎもそう!)

そういえば若い頃、この時期にらっきょうを漬けてみたいなと思って、
実家に電話をしたら、まだ生きていた祖母が
「まずは山に行ってラッキョウをとってきて、海に行って塩水をくんできて、
漬けておけばいいんよ。芽が出んから。」
と本気で教えてくれて、笑ってしまったことがありました。
おばあちゃーん、東京に歩いて行ける山も海も無いよー。
(神戸はその点ギュッと山と海が詰まっているけど、それでも歩いてとりには行けませんわ?)

それどころか、ここ数年は全く余裕が無くて、買ったラッキョウすら漬ける時間を取れなかったので、
実家の母が私のレシピで漬けたのを送ってくれていました。
なので、お店で泥付きラッキョウを見ただけで、「めんどくさそう!」と思ってしまった私!この私が!
それでもなんだか惹かれてしまって、買ってまいりました。

ラッキョウ仕事、やり始めるとやっぱり楽しくて、コリッコリッと株から分けるのも、
薄皮をはがすのも、手が勝手に動いて無心になれる。ああそうだった、これが好きなんだった。
1時間くらい集中してやって、甘酢漬けと、塩漬けを作りました。

私のラッキョウ漬けの作り方は、若い頃に色んな地方を取材をしていた時に
ラッキョウ名人のおばあちゃんから教わったもので、
熱い液で直漬けにするんです。
(『濱田美里の季節の手仕事帖』(河出書房新社)か、『季節をたべる夏の保存食・行事食―いっしょにつくろう!」(アリス館)という子供向けの絵本に詳しいレシピを載せています。)
するとカリカリッとした食感が保てて、簡単に美味しく漬かります。

そうそう、話が脱線ばかりしますが、先日の講演会で一番前の席で熱心に聴いてくださっていたご婦人が
後で話しかけてくださって、
「先生の本を見て、孫が料理が大好きになって、毎日のように料理をして、
今ではもてなしてくれるくらいなんです。
本当にありがとうございました。それをお伝えしたくて。」
とおっしゃいました。
「まあ、嬉しい!!おいくつなんですか?」
と伺うと、
「3歳なんです。」
とのこと。
「さんさいーーーー!!!???」
3歳と言ったら、年少さんですよ!
なんと2歳から絵本を見て料理を始められたそうなんです。
好きってすごいなあ。楽しめるってすごいなあ。あの絵本作ってよかったなあ。
と本当にうれしくなってしまった出来事でした。
確かに季節の手仕事やおかし作りは、ちっちゃい子の料理の導入にすごくいいかもしれませんね。
(毎日の晩ごはんから始めるのは、親の方が大変ですもんね。)


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