料理研究家 濱田美里

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C’est la vie

2021.06.08 │ ブログ

みなべ町から明日の梅酒レッスンの青梅が届きました!
南高梅って青梅でもほんのり赤が入っていて、
いつも、梅のお姫様みたい、と思ってしまう😊


今年の梅仕事が始まるので、ちょっと倉庫の梅の棚を整理。

練り梅が無くなりそうなので、また作ったのだけど、
2枚目写真の奥に写っている古い梅干は、2008年のですよ。
13年前の!
しなびた婆さんみたいな色になっているけど、ものすごーく美味しい。
塩味も酸味も角がとれて。


昔、梅仕事を私に教えてくださった師匠がよくおっしゃってたな。

「美里さん、時間の味をよく味わうのよ。
1年の味。10年の味。30年の味。
(←床に座って本当に30年ものの梅酒を一緒に味わいながら話した!)

つける仕事って、その日その日の料理とは全く違う。
なんていうか、だんだん人間の喜怒哀楽みたいなものが感じられるようになるのよ。

それにしても不思議ね。
あなたがこうして縁あって、うちで梅をつけたりタクアンつけたりして過ごす時間は、
人生の階段の踊り場にいるようなものだなって思うの。

すぐに役に立つ何かではなくて、いつの日か、もっとずっと時が経った時に、
この時間がじんわりあなたの人生を彩ってくれると思う。」


あれから20年。
倉庫の棚の瓶をずらっと眺めていると、たとえば、
「2013年梅干 干してない(←汚い走り書き!)」
というのがあって、
「そりゃその年は干せるわけないわ、しかしよく漬けたもんだわ!」
と笑いが出たり、

「2018年 東京でしばらく干してなくて、神戸で3年後に干した梅」
とか色々あって、

日常が大変すぎて、梅しごとの「う」の字もできなかった時期も含め、
「C’est la vie.」

私の人生に、漬け仕事があったことを、本当に幸せに、ありがたく思う。






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