料理研究家 濱田美里

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阿波晩茶

2023.08.25 │ ブログ

少し前に徳島の祖谷方面へ行ったときのこと。
あのあたりもお茶の産地と知り、帰りに幾つかのお茶を買ってきました。

その中の1つが阿波晩茶。

お店でパッケージを見たとき、
「これ、昔、徳島出身の編集者さんが帰省のお土産に買ってきてくださったものだ!」
と懐かしく思い出して。

このお茶はとっても個性的な香りがあるのですが、
その独特な風味は、なんと「乳酸菌発酵」によるものなんですね。

葉っぱを茹でた後に桶に漬け込んで(!)微生物の力で発酵させてから干すのだそう。

このような製法は、日本茶では極めて珍しいと思います。
ちょっとクセになるような忘れられない味。

私は今回初めて祖谷の風景を見たときに、ラオスの山奥の風景にすごく似ていると思ったのだけど、

このお茶の味も、ミャンマーやラオスの山の方で飲んだものとそっくり!と思いました。

(実際にこういう製法で作られているのか、私の味の記憶が捏造されている?かは不明ですが、
ベトナムのお茶ともちょっと似ていると思う。)

そんなわけで、
熱いお茶として淹れていたこの阿波晩茶なのですが、
ここにきて、冷製にしたらまた美味しいものだなあ、ということを発見しました。

去年の秋に買ったこの平たいケトル
(←結局一度しか山に持って上がられることなく、しまい込まれていた可哀想なやかん)に、
お茶をこすための網が内蔵されていたことを思い出し、

最近はこのケトルの網に茶葉を入れて、煮出しては冷蔵庫に常備して、
冷製阿波番茶を楽しんでいます。

近年、夏になるとお茶は水出しばっかりしていましたが、
昔おばあちゃんがやっていたみたいに(麦茶とかハトムギ茶とかおっきいやかんで!)
お茶を煮出して冷やすっていうのも、いいものだなあと改めて感じています。


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