ストックホルム備忘録8

3月31日朝8時。現在の外気温はマイナス0,5℃。

明日がイースターの本番なので、街じゅう卵とウサギだらけになってきた。
この卵の中にお菓子を詰めて、家のどこかに隠し、それを子供たちが探し回るのが、こちら流とのこと。お菓子屋さんでは、100g150円くらいで、いろんな種類のおかし(キャンディ、チョコ、マシュマロなど)が買える。

昨日に引き続き、fika(フィーカ)のおやつについて。
2月のお教室でも取り上げたように、シナモンロール(Kanelbulleカネルブッレ)は、どこでも見かける。
kanelがシナモン、bulleが小さくて丸いものという意味だそう。
その他にもkardamomma bulle(カルダモンロール)というのがあって、
こちらはよりスパイシー。ピリピリ胡椒の味もする。
昨日買ったものはsasongen bulleと書いてあって、どういう意味かと調べたら、
季節の(sasongen)パンだった。
中にはカスタードクリームが入っていて、上にチョコ味のクラムが乗っている。
どの部分が季節なのかはさっぱりわからないけど(笑)、おいしかった!

ちなみに、このシナモンロールの巻き方は、ストックホルム巻きというらしい。
この巻き方の他に、スーパーではただくるくる丸めた形も売られている。
ストックホルム巻きの方は、形はゴージャスだけど、要するに生地の部分が細くてカリカリになるから、ちょっとプレッツェルのような食感になる。
配合も日本で想像するよりかなりリーンで、甘さも控えめ。
一方、フィンランドのシナモンロールは下の写真のような形だった。
(丸めてから交互に斜めに切っていき、断面の広い方を上にして、焼いてある)
生地の面が広いから、スウェーデンよりも生地の食感を味わえて、配合も少しだけリッチ(でもフワフワという感じではない。卵はあまり入っていないと思う)。
同じ系列のパン屋さんでもスウェーデンとフィンランドとでは味も形も違っていて、面白いなと思った。


シナモンロールと季節のパン


ストックホルム巻き


こちらがフィンランドバージョン


これもフィンランド


ストックホルム備忘録7

3月30日10時前、現在の外気温は2.5℃。
日に日に過ごしやすくなる。

昨日は地下鉄でソルナへ行った。
ストックホルムの地下鉄は、強固な岩盤をくり抜いたまま、という感じで、岩の中を進んで行く。それぞれの駅によってペイントが違うのだけれど、私は中央駅のと、ソルナ駅のが、特に好き。一つのミュージアムのよう。

ソルナのモールのパン屋さんでセムラを食べた。
セムラはスウェーデンの伝統的なお菓子で、イースター前まで食べられるらしい。前回、1月に入ってから、ポツポツ見るようになり、ピークはイースターの45日前だったそう。今は、どのお店でも、というわけにはいかないけど、ちらほら見かける。

外見はシュークリームみたいだけど、お店によっては全く甘くなく、パンみたい。中にはマジパンと生クリームが挟まれている。昨日のお店のは、パイ生地っぽいサクサクさがあって、クリームは甘めだった。疲れたら「フィーカにしよう」とコーヒーとおやつで一息つく、この国のお茶スタイルがとても好き。


ソルナの地下鉄


どこの駅か忘れた!


中央駅


セムラ


ストックホルム備忘録6

3月29日朝8時前、現在の外気温はマイナス5℃。今日も快晴で、窓辺に飾った水仙が5本花をつけた。

先ほど神戸のオフィスとスカイプ会議をしていたら、マキさんが
「もうこちらは桜が満開ですよー。」
とベランダにノートパソコンを移動して、桜並木を見せてくれた。
わあ、きれいねえ。ほんとうに今が盛り。
去年もこの時期はまだ東京にいたから、神戸の桜は2年味わえずじまい。

こちらは明日からイースター休暇で、道を歩けば先日アップした羽の飾りや、卵の入れ物、そして黄色い水仙(ポスクリリー)がたくさん売られている。
systembolagetも何日も閉店 するから(!)、ワインもまとめて買っとかなくっちゃ。
今日はお菓子の日らしく、近所の子供たちがお菓子をもらいにやってくるかもしれない。
日本から持ってきた抹茶味のキットカットでいいかしら。

ところで、こちらのテレビアニメはすごくかわいい。
さっきはテレビが「ハイディ!(ディの方にアクセント)」と言い始めたので何かと見てみたら、
スイス人のハイジとクララがスウェーデン語を話していた。
アニメはあいさつ程度のスウェーデン語が覚えられていいな。


ストックホルム備忘録5

3月28日朝7時。現在の外気温はマイナス8℃。すでに快晴。

昨日は、こちらの方に教えていただいたチーズ屋さんに足をのばした。
「Wijnjas wholesale」というお店で、ストックホルムの中心地、クングスホルメンにある。
中に入ると、ヨーロッパ各国のチーズがたくさん!

1月にスイスに行ったときに食べたフォンデュやラクレットがすごくおいしくて、
しかもいくら食べてもまったく胃もたれをしないことに私は驚いた。
電車の窓から外を見ると、どこまでも牧草地が広がり、山の方にチーズ作りを見に行くと
沢山の牛がのろのろ歩いていた。
こんなフレッシュな乳で、しかもじっくり熟成させて作るのだから、
体にいい発酵食品になるに決まっている。
チーズに対する考え方がガラリと変わった。

その後日本に帰って、そんなチーズを買おうと思ったら、ものすごーく高価で(スイスの5倍はした)おじけづき、別にわざわざ日本で食べなくてもいいかなあ、納豆があるし(?)と、あきらめた。
なので、今日は思い切りチーズを買うぞ!と店をルンルンまわる。

店の奥で、ラクレットの器具をみつける。
オランダのBOSKAというブランドの物で、木と鉄のシンプルなデザイン。
スイスで見たものは大きすぎて、日本に持って帰るのも収納も大変そうと思って断念したけど、
これはいいんじゃない?コンパクトに折りたためて小さな辞書くらいの大きさだし、デザインも好みだし、値段も225sk(=2800円くらい)。(でもレジで打つときには300sk近くなっていた!尋ねてみると、25%の税金がかかるからだそう。ああ、そうだった、ここはスウェーデン。食品は8%くらいで済むのだけど、嗜好品関係になると途端に税金が高くなる。)
あとはラクレットチーズのでっかいやつを1.3キロと、フランスの小さな白カビチーズを1つを買った。

久しぶりのラクレットはおいしくて、この器具も使い勝手がよく(小さいキャンドル3つでチーズを温める)、大満足だったけど、実は日本人の私は、ストックホルムでもう一つ発酵食品を仕込んでおいた。
おととい大豆を煮ていた理由は、実は納豆を作るためだったのですー。

去年の春に、初めて目がモワモワし始めた私は、今年は花粉症予防のために1月から意識して毎日納豆をとっていた。結局花粉が本格的になる前に日本を出てしまったし、予防なのでどれくらい効果があったかはわからないけれど、
体調はすごくよかったので、腸内環境を整えるのには一役買ったんじゃないかと思う。
それでなんだか納豆を食べるのが癖になってしまって、こちらで作ってみようと思ったのだ。
おととい、やわらかく煮た大豆に日本から持ってきたスーパーの納豆1パックをまぶして、45℃くらいのオーブンに丸一日入れておいた。そして、恐る恐るふたを開けて見てみるとー、ぜんぶの豆が糸ひいてますよ!大成功!これでしばらくは納豆に困らないわ。
しかしわたし、北欧で何やってるんでしょうねえ^_^


チーズ屋さん


ラクレットチーズ


ゆで野菜やパンに溶けたチーズをかけては食べる


旧市街のガムラスタンが対岸に見える。とてもいい散歩コース


ストックホルムの市庁舎


海にはまだ薄く氷がはっている。


発酵前


納豆完成!


ストックホルム備忘録4

3月27日朝7時。
外は快晴で雪も降っていないのに、外気の温度計を見たらなんとマイナス9,5℃!
ちなみに室内の温度は20,5℃。

昨日は最寄りの駅のショッピングモールヘ行った。
このモールには2つスーパーマーケットが入っているのだけど、その他に野菜と果物だけ売っているコーナーがある。
そこでハーブがたくさん売られていたので、
イタリアンパセリ、香菜、ミント、青ネギを買った(それぞれすごい大束で150円くらい)。
ディルがなかったのでイタリアンパセリにしたけど、これって1月に教室でお教えしたベトナムのチャーカーのミックス!
牛肉と合わせて、久しぶりにチャーカーっぽい料理を作ろうと決める。

こちらのキッチンのコンロは4口で、下に大きめのオーブンがついている。
それぞれのコンロで1~9までの温度設定ができるようになっているが、
べつに9だからと言って温度が高いわけではなく、ただ熱が入る間隔が短くなるだけ。
なので、最も向かない料理は炒め物。
1に設定すると、そのまま外出しても大丈夫なくらいのごくごくとろ火。
これで長時間煮込み料理をすると、ものすごくおいしくなる。
(昨日は日本から持ってきた大豆を半日くらいかけておいたらいい具合に煮えた。)
おのずと、このキッチンが得意とする料理は、ロースト(オーブン焼き)か̪シチュウ(煮込み料理)になる。

私はオーブンが好きで、オーブン料理の本も出しているくらいだが、
日本という国で、オーブンよりもだんぜん電子レンジ料理の方が普及したのがなぜなのか、考えることがある。
キッチンの狭さや、調理時間の長さ(予熱時間も含めて)以外にも根深い苦手意識があると思う。
それはもしかしたら、火(熱)が回ることに対する感覚かもしれないな。
東アジアでは「窯」で料理をしてこなかったから、上火やまわる火で「ローストする」ことよりも
「蒸す」ことの方に親和性がある。(厳密にはレンジは蒸しているわけではないけど、感覚としてはそのようなものだろう。)
火鉢の炭火は強いけれど下からの遠火。
「上からまわる火」を操るのが、我々は苦手なのだと思う。
その代わり、というのも変だけど、鍋の下からの「中くらいの火(日本料理に極端な強火は必要ない)」を操ることの繊細さにかけてにかけては日本人はピカイチだと思う。
だって、あんな微妙な水加減、火加減をコントロールし、油も使わずして、毎日お米をふっくらと炊いてきた民族なんだもの。

昨日はトルティージャみたいなピタパンを買ったので、それで肉とハーブのチャーカーもどきを巻いて食べた。
私の料理はどんどん国籍不明なハイブリッドになっていく。
でも口にするとまぎれもなく日本人が作った味だと思う。
私にとって、和モダンな料理とは何か。
今年はずっとそれについて考えている。


ピタパンもたくさん売られています。


1月のチャーカーと3月のアヒージョをミックスした感じ。油で煮るような調理法。


ストックホルム備忘録3

3月26日朝7時。現在の外気温はマイナス3度。
夜のうちに雪が降ったのか、外の地面がまた白くなっている。

昨日はとてもいい陽気だったので、
電車に乗ってオーデンプランへ行った。
公園にはたくさんの親子連れ。
近くにはアンティークショップやインテリアのお店が軒を連ねている。
それを見たくて行ったのだけど、なんと日曜日でほとんど閉まっている。
閉まったお店の窓をのぞきながら2時間ほど歩く。
まさに「ウインドーショッピング」。

途中ですてきなパン屋さんを見つけてランチ。
リュスティックなパンで作ったサンドイッチを食べる。
この種のパン(質感の残るグレーな小麦粉で作る多加水のルヴァンパン)が、今世界の都会でトレンドなのかな。
この町はストックホルム中心部から電車でほんの少しだけど
趣が随分変わり、古い建物におしゃれな軽さが加わる。
東京の代官山、パリのマレ地区、ニューヨークのブルックリンを足して3で割ったみたいな感じ。(あくまで私の勝手なイメージ。ほんとはロンドンも足したいのだけど、行ったことがないからわからん><)

ところで、昨日もびっくりしたこと。
なんだか一日のうちに何度も時間の感覚がおかしくなって、
お店の時計を見たり、携帯電話を見たりして、
「あれ?もう11時だっけ?」
とか
「まだ14時?」
とか言っていた。
夕食を食べ始めて、携帯の時計ではもう19時なのに、外があまりに明るい。
いくらなんでもたった1日でこんなに日が長くなるかしら?と思って気が付いた。
もしや今日からサマータイム!!!??

調べてみたら、毎年3月最終日曜日の午前2時に時間が変わるのだそう。
全然知らなかった。
そんなわけで、今日も朝7時だけど、実はおとといまでの朝6時で、なんだか体がとても変。
でも昨日のお昼みたいに、皆がようやくカフェの前にテーブルを出して、わいわい賑やかに食事したりおしゃべりしたりしているのを見ると、ここで1年が夏に向けて切り替わるんだなあ、と北国の人たちの喜びが伝播してくるようで、私までうれしくなった。


照明器具だけのお店。さすが北欧。


パン屋さん。


でもまだ川はこんな具合!(ヘルシンキよりはちょっと氷が薄そう)


ストックホルム備忘録2

3月25日朝7時、現在の外気温は3度。

昨日はユニパッケン(童話の博物館)がある島へ、電車とトラムを乗り継いで行った。
道端を歩いている途中、花屋さんの店先に沢山ふさふさした羽のようなものがさしてある。
どうやら来週のイースターの飾りみたい。
そういえば前回は、クリスマスのもみの木が(森から採ってきたという感じで)、
同じようにお花屋さんの前に飾られていた。
日本の年末のお正月飾りみたいに。
お菓子屋さんの店先には、ペイントされた大きな卵型の器が並べられている。
これにお菓子を詰めて子供たちにプレゼントするのだそう。
こちらの人は、季節の行事をとても大事にするみたい。

昨日のショッキングな出来事。
スウェーデンではスーパーにもデパートにも個人店にもお酒が売られておらず、
買いたければ、国営の「Systembolaget(システムボラ―ゲット) 」という店に行かなくてはならない。
それが土曜にはなんと、15時にしまってしまうのだそう!
昨日はワインが買いたかったのだけど、お店まで歩いて行ったら、15時を3分だけ過ぎていた。
もうお客さんが出始めているところで、入口に立っている警備員みたいなお兄さんに「入れませんか?」と聞いてみたら、
「絶対にダメ。」とのこと。
他に買えるところがないかを聞いてみたけれど、
「3,5%以上アルコールが入っているものはどこでも売られていません。」
とつれない。
土曜日に15時って!厳しすぎませんか?
でもそれだから、こんなにも治安がよいのかもしれないなあ。


お花屋さんの店先にて


『長靴下のピッピ』はこの国のお話なんですね。


ストックホルム備忘録1

24日ストックホルム朝7時前。
現在の外気温は0度。

12月に来た時よりも随分日が長くなり、もうすっかり夜が明けているし(前回は8時過ぎまで明るくならなかった)、
夕方も18時頃までしっかり明るい(前回は15時には真っ暗だった!)。
つまり、寒さは少し残るものの、日本よりもすでに明るい時間が長い。
白夜に向けてどんどん日が伸びていくのだと思うけど、1年間の日照時間の変化が激しすぎる!

昨日はこちらのアパートメントの食材補充。
近くのコープへ行って、野菜や卵、乳製品などたくさん買ってきた。
買った野菜は玉ねぎ2種、リーキ、ニンジン、カリフラワー、ニンニク、マッシュルーム、ルッコラ、ぶどう。
あとはシル(にしん)の瓶詰め(基本は酢漬けなのだけどいろんな味がある)を2種。
デザインがかわいいコープのハーブティも買った。

冷蔵庫にあったシルの酢漬けが、あと2切れくらいになっていたので、
残ったマリネ液に、日本から持ってきた太めの切り干し大根を漬けた。
こちらのマリネ液はかなり甘めなので、ホワイトビネガーをちょっと足して。
日本だったらここに赤玉ねぎを入れるのが私の定番なのだけど、
すでに玉ねぎやスパイスが入ってるので省略。
これで箸休めのハリハリ漬けができる。

夕方、トラベルカードをチャージして、電車に15分ほど乗り、ヒョートリエットに行く。
トラベルカードは、日本のsuicaみたいなICカードで、ストックホルムの電車バスなど何でも乗れる。
24時間、72時間、7日間があり、期間が長いほど割安になる。(ちなみに7日間で325Kr=約4,150円)
普通に乗ると、たとえ1駅でも40kr(約500円)前後するので、しょっちゅう乗るなら断然お得。

ストックホルムの中心地に行くと、「都会~!」っていう感じ。
ヘルシンキを経由して来たからなおさら。
王国の荘厳さを備えながら、本当にモダンで大人っぽい街。
センスのいいお店がたくさんある。少し温かくなってきたからか、人々の表情も明るく見える。

そして、そこに来ても私がまっすぐ向かうのは、大大好きなヒョートリエット市場。
この市場は、地下にあって、肉の専門店だけでもたくさん。
魚の店、チーズの店、紅茶の店、サラミの店、パンの店…と、それぞれ質が高くバラエティに富む品ぞろえなので、
ずっといても飽きない。
エスカレーターを降りてすぐのところにあるナッツ屋さんは、世界各地から来たドライフルーツ、ナッツ、豆、雑穀、粉などそろっていて、
どの店員さんに聞いても、それぞれの商品の産地を明確に答えられる。
前回も買って食べたけど、品質がすごくよく、値段もリーズナブル。
今回はクルミとドライフルーツ(バーベリー、クランベリー、いちじく)、白いんげん豆を買う。
肉屋さんには、牛豚鶏に加え、羊やウサギ、鹿、となかいまである。
久しぶりに牛肉のステーキが食べたくて、お店の太ったおじさんに包んでもらう。
「フライパンで両面1分ずつ焼き色付けたら、175度のオーブンに入れること。」と言われ、
「はいっ!」と受け取った。

道路の脇にたまった雪は溶け始め、地面は氷ではなく、水になっている。
ふかふかの帽子をかぶった人も減り、冬場に窓辺を彩っていたクリスマスのロウソクも今はなく、
道端の木にぶら下げられた小鳥のえさの数も増えている。
ストックホルムにも、そこまで春が来ているみたい。


スウェーデン味のハリハリ漬け


大好きなナッツ屋さん


羊のレバーまである!


ここのチーズもすごくおいしい。熟成の期間ごとに味見させてくれる。


魚屋さん


ハム屋さん。


ヘルシンキ備忘録3

3月23日朝4時のストックホルム。現在の外気温はマイナス2度。
ヘルシンキからさらに1時間の時差があるので、
やっぱり早すぎる時間に目覚めてしまう。

昨日、ヘルシンキの空港で食べたサーモンサンドイッチがものすごくおいしかった。
お店のお姉さんと厨房のお兄さんに心からのブラボーを伝え、
パンについて尋ねたら、入っているものを全部書いてくれた。
「“fumma reissumies”という名前の伝統的なパンよ。」

別の売店でそのパンを見つける。
ちょうど空いている時間だったので、お店のおばさんに聞いてみると、
「これは全部ライ麦のパン。右のが一番ライ麦の比率が高いよ。(パッケージの裏を見て)ほら、83%でしょ。
これが一番硬くてちょっとだけ酸味がある。左の方が柔らかくて甘めだから食べやすい。小麦?ああ、少しは入っているかもね。でもちょっとよ。これらはフィンランドの伝統的なパン。皆食べてる。冷凍もできるわよ。」
このパンで作ったサンドイイッチがすごくおいしかったと伝えると、うれしそうに「私たちは白パンなんて食べないからね。」
うん、よくわかる。トマトとモッツァレラのチャパタサンドの方は、単なる空港の味だった。
黒パンサンドの方はこの国の魂の味。あ、ソウルフードってそういう意味か、と思う。

夕方、ストックホルムに着く。
あったかい!温度を見ると4度。
4度をあったかいって思うなんて、相当いかれてしまった。

でも、今回はヘルシンキに寄ってきて、すごくよかった。
西と東が混ざり合う、文化が「渡る」、ということに関して、
肌で(舌で)感じることがたくさんあった。
そして、ふと思う。
もしも今、同じヨーロッパでも南欧の方に縁があったとしたらきっと、ギリシャとかトルコのあたりを西と東の中間点と感じただろう。
若い頃の私なら、間違いなくそちらを好み、
ナッツやフルーツの豊穣や、スパイスの香り、南の陽気さや喧噪、怠惰、おおらかさの方に魅力を感じたはずだ。
そして、そこには「黒パン」は無かったはず。

こんな、海も池も川も凍ってしまうような(本当に真っ白だった!)過酷な土地で生まれた文化。 
寒さが何よりな苦手な私が、ポーランドやチェコですらなく、さらに北回りのフィンランドを経て、この西の国に向かうことになるなんて。
人生は本当にわからない。
あと2週間あまり、北ヨーロッパの冬の終わりと春の訪れ(訪れるのか?)をたっぷり味わいたいと思う。


ヘルシンキ備忘録2

ヘルシンキ22日朝6時。
現在の外気温はマイナス1度。
室内の温度は常に一定だから実際のところはわからないけれど、
窓から外を見ると、粉雪がハラハラ。昨日よりは少しは空気がゆるみそう。

昨日は外に出ると、雪は降っていないものの、空気がキーンとして、耳がちぎれそうだった。
でもお天気は良く、空は青い。
おしゃれなインテリアショップや、洋服のセレクトショップがある小さな通り(そのまま行くとかもめ食堂があるらしい)を通って、
トラム(路面電車)の駅へ。
細長いトラムに30分程乗って、アラビア工房へ行く。

1階には、イッタラのファクトリーショップやPENTIKなどのアウトレット。
前回スウェーデンのグスタフスベリの工房で買いすぎたので、今回はがまんの子。
教室用のペーパーナプキンだけ、いろんなお店で数種類ずつ買う。
スウェーデンより柄ゆきが女性っぽい。

昼食はアラビア内のレストランビュッフェ。
ひとり9.85ユーロ(1300円くらい)で、飲み物も自由。
ミートボールや、カボチャとトマト?のスパイシーなスープ、ワカサギのからあげ(ハーブとオイルのソースをかける)、ビーツの煮物(麦にかけて食べる)、マッシュルームのマリネ、豆のサラダなどなど。バンも8種くらい。すごく楽しめる。
スウェーデンもそうだったけと、お昼はこういうビュッフェスタイルも多くて、おじいさんもおばあさんも、北欧の人はよく食べる。山盛りをおかわりしている!太ってはいないけど、背がすっごく高い。
2階にアートブックの大きな図書館があるからか、学生さんらしき若者も多い(学生用ビュッフェもあった)。そして、若い女の子の鼻ピアス率が異常に高い。
鼻ピアスと言っても、片方だけの小さいものではなく、美人さんが牛みたいに大きなわっかをつけているので、すれ違うたびにぎょっとする。

9階にアラビアミュージアムがあり、創業時からのアラビアとイッタラの作品が並んでいるのは圧巻。
ものづくりの軌跡がじっくり味わえる、すてきな場所。
今回は現地の方とあまり話をしていないので国民性はよくわからないけど、
フィンランドのデザインは、スウェーデンよりも少し有機的に感じる。
街を歩く人の服の色も多彩で(スウェーデンは真っ黒。こちらはマリメッコの国)、ちょっとやぼったさがある。
自然をとらえる視点が日本に少し近いような気がする。

夜は前日歩いた中で一番品ぞろえが豊富だった、おっきな駅地下のスーパーでいろいろ買ってみる。
デリのコーナーにはロールキャベツみたいなのが売られていたので、中身が野菜のとラムのをチョイス。
お店のお兄さんに尋ねたらフィンランドの家庭料理、とのこと。やっぱりロシアに近い。
あとはサラダコーナーから10種類くらいサラダ(ベジタリアン用に、豆が沢山。ファラフェルなんかもそろってる)と、鰊の酢漬け、ピロシキなど。
パンのコーナーなんて、山のように多種の黒パンが並んでいるので、おもしろくて何度も見てしまう。