料理研究家 濱田美里

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2015年6月『濱田美里の郷土料理⑤高知篇』

2015.07.02 │ いままでのメニュー

『濱田美里の郷土料理⑤〜高知篇〜』

6月は高知県のおもてなし料理をとりあげます。
初鰹の季節、手づくりたたきに挑戦しましょう。
どれも華やかで見栄えのするハレの日のごちそうです。

・かつおのたたき・・・高知といえばかつおでしょう!おうちでできるたたきの作り方お教えします。塩たたきや、ピリ辛だれなど、食べ方のバラエティも豊かに。

・野菜ずし・・・高知名物いろんな野菜のにぎり寿司。とってもかわいいお寿司です。

・鯛のたま蒸し・・・鯛の背中におからをつめて蒸す、ハレの日の皿鉢料理です。

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6月は、高知で教わった皿鉢料理(大皿に盛って作るおもてなし料理)をいくつかご紹介しました。

かつおのたたきは、ガス直火とフライパンで作る2つの方法で。
フライパンならIHしかないご家庭でも気楽に作れます。
朝いちで築地から送っていただく鰹、ぎりぎりまで届かなかった会は、
皆さんの前でおろしました!

たたきは、新鮮な初鰹で作ると本当においしいので
この季節ぜひおすすめです。
千葉の勝浦出身の生徒さんが、
「かつおは新鮮なものがとれるから、年がら年中食べていたけど、たいてい刺身で、
うちの方ではたたきにする習慣があまり無いんですよ。なので、教わりたくて来ました。」
とおっしゃっていて、ビックリしました。
同じように鰹がとれる場所でも、土地によって食文化って違うんですね。
本当におもしろいなあ、と思います。

食べ方は、一般的なポン酢味に加え、塩たたきと、私の好きなコチュジャンだれをご紹介しました。
コチュジャンだれは韓国風で、高知とは関係ありませんが(笑)、
かつおとよくあって、おいしいんです。
ほかにも豚やマグロ、豆腐やなすなど、何でも合うので、まとめて作っておかれることをおすすめします。

それから野菜寿司。
高知では、小さな道の駅や、スーパー、市場でも、よくこの野菜のにぎり寿司を見かけました。
椎茸、ミョウガ、こんにゃくのほかに、タケノコやリュウキュウというお野菜でつくられていましたが、
タケノコとリュウキュウは手に入れにくいので、今回はオリジナルのなすとパプリカで。
1つ1つ作るのが手間がかかりますが、ヘルシーでかわいらしく、
生魚の苦手な外国の方などへのおもてなしにもおすすめです。
酢飯を作るときに、ゆずの酢が入ることも独特で、さわやかないい香り。
冬のゆず酢を1年とっておく方法もご紹介しました。

最後に鯛のたま蒸し。
おたまというのは、おからのことだそうです。
骨抜き(なんと私はキッチンばさみを使います!)にした鯛の背中に、
煮たおからをつめて蒸し上げる豪快かつ繊細なお料理で、
鯛のおいしいエキスをおからが吸ってくれます。
下準備でおからを煮るとき、すごく上品に味を作り上げるのに、
最後でニンニクの葉がどばっと入るところが南国風。
そういうところが、郷土料理の楽しさで、
土地から生まれた味の組み合わせや、独特の香りや風味に、
私はいつもハッとします。
そんな発見や出会いをみなさんとわかちあえたら、と思っています。

(投稿:美里)


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