料理研究家 濱田美里

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秋の薬膳のおはなし

2020.10.22 │ ブログ


料理教室では、秋が来るたびに皆さんにお話ししていますが、
この季節の中医学的な邪気は「燥邪(そうじゃ)」です。
つまり、大気の乾燥がからだに悪さをするのですね。


具体的にいうと、皮膚や髪の毛がかさつき、のどの潤いがなくなる、口の中が渇き、尿量が減り、便が硬くなる、といった症状です。


呼吸によって大気と通じている肺は最も影響を受けやすく、
内部が乾きやすいので咳、たん、喘息などが出やすくなる、
と考えられています。


また中医学では、「肺」と「大腸」は表裏関係にあると考えますので、大腸にも影響を与えます。
老廃物がスムーズに体の外に排出されず滞ると、肌の調子もグッと悪くなりますね。


*口や鼻、粘膜の乾燥は、ウイルスや細菌の繁殖のしやすさに直結しますので、今年は特に特に乾燥には気をつけたいところです。


薬膳ではこの時期、肺を補う辛味の食材(ネギ、生姜、わさび、玉ねぎ、ニラなど)を積極的にとります。
また肺を潤す味覚としては、旬の柿や梨などの果物もおすすめです。
ゆりね、サツマイモや里芋、大根、レンコンといった根の食材、
またきのこ類や種子類(松の実やゴマなど)もこの時期にとるといいですね。


そして、乾燥が気になる季節に私が必ず意識して食べるようにしているのは「白キクラゲ」です。
中医学では「銀耳(ギンジ)」という生薬で、昔から不老長寿の薬として珍重されてきました。
肌を潤す食品としても有名ですが、私はこの食物繊維と、食材としてのクセのなさにも注目しています。
スープなどにはもちろんのこと、今月の料理教室で取り上げるように、
麻婆豆腐など肉と合わせると、肉の脂のデトックスに一役買ってくれるのです。


スーパーで気軽に購入できる食品ではありませんが(オンラインレッスンでは2単位お送りしますね)、
この季節にとてもおすすめの食材ですので、機会があればぜひ使ってみてください。
たまに道の駅などで見かけますし、ネットでも買うことができます。
戻していろいろな料理に用いることができ、ジワジワと乾燥の時期の体を整えてくれます。






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