料理研究家 濱田美里

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有馬のお昼ごはん@旬重

2018.10.04 │ ブログ

昨日の有馬のお話の続きです。

お昼ごはんは、御所坊さん本館すぐそばの「花小宿」に併設された「旬重」にていただきました。
どのお品も「ああ、関西の和食だわあ。」としみじみ感じる美味しさでしたが、
忘れられないのは、お造りの中のハモの炙りです。

有馬のような山の中なのに、全ての魚の質があまりに高いので、
後で御所坊の方に伺ったら、なんと
「あ、料理長が毎朝明石浦まで買い付けに行ってるんです。」
とさらっとおっしゃっていてびっくり!
(神戸の旅館の中で唯一、明石浦のせりに入れるのだそうです)

目の前で骨切りしてくださったハモを、皮目だけ熱々の炭に一瞬押し付けて焼いたものは、
身の方はレアでありながら炭の香ばしさが舌に広がり、私は感動してしまいました。
(マキさんは「口の中で何が起きているのかわかりません!」と言ってました)
落とし(湯引き)と炙りの両方をお出しくださいましたが、炙りの圧勝です。

瀬戸内海の島育ちの私にとって、ハモやアナゴと言えば超身近な魚で、
子供の頃から湯引きのようにつるんとした感じよりも
天ぷらみたいに柔らかく火が入った方がずっと好きなので、
この調理法には完全にノックアウトされました。
湯引きとも刺身とも全く次元の違う美味しさ!
生なのに、香ばしさと、天ぷらの時みたいな甘みがあって。

こんな魚の調理法が他の国にあるでしょうか。
あんな細長い、骨だらけの魚を、包丁と炭だけでここまでの味に仕上げるなんて。
素晴らしすぎる!日本料理ブラボー!

ああ、今度は温泉に入りに行きたいです。


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