料理研究家 濱田美里

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アサリの話

2022.04.12 │ ブログ

先日、元スタッフのマキさんと電話でおしゃべりしている時に、

「センセ、神戸はアサリどんな状況ですか?」

と聞かれました。

「え!浅利?なんで?」

「せっかく春になったのに、今年は全然手に入らないんですよ。」

どうやら少し前の産地偽装の報道の影響で、店頭に全く並んでいないらしい。

「お店の人に聞いてみたら、あの報道の後、
本当の熊本産を頑張って仕入れたけど、値段が上がって誰も買わないし、
信用もしてもらえなくて、ものすごい売れ残ったんですって。
だからもう仕入れもできないんですって。
それで、どこ行ってもあさりが全然売られていないんですよ。」

😵

私はここ数ヶ月買い物に行く回数をうんと減らしていたので気がつかず、
先ほど商店街に行った時に、
魚屋さんに聞いてみました。

「今日、うちは愛知の入れたよ。
どうしても例年より高なっとるよ。
あの報道でなあ。」

そもそも本当の熊本産って無かったんですか?と尋ねたら、

「いや、無い事は無いけど数が少なくて、あれなあ、暗黙の了解いう感じやってん。
みんなが時期より早う早ういうて求めるし、売れるやろ。
待てばなあ、大きくなったんやろけど、
旬になる前にどんどん出るからなあ。
足りへんからしゃあないから、いうて
ああいうことなってしもうたんやろ。
僕らは市場でも気づいとったよ。
身が違うとったやろ。」

ああそういうことだったのか。
特にここ数年、春になったのに、全然アサリが美味しくない、
なんか身が小さいよねえ、とマキさんとよく話していました。
食べて感動することが無くなったねと。

うーん。
いろいろ考えさせられますね。

しかし、こうして偽装がなくなったのはいいけれど、
アサリが全く買えないってのはどうなん。

皆さんの地域の浅利事情はいかがですか?


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