料理研究家 濱田美里

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食べもので整える

2022.07.11 │ ブログ

昨日のYouTubeライブ配信の、おさかなバーグについて、もう一つお伝えしたいことがありました。

ちょっと専門的な、長い話になるので、興味がある方、お読みください😊

今回のこのレシピは、気滞血瘀、気血両虚の生理痛で悩まれている方に、
ぜひ食べていただきたい薬膳です。

中医学的にみた時、生理痛にはいくつかの証があって、

同じ「おなかが痛い」でも、そうなる体の状態がそれぞれ違うので、
理由をからだ全体で考える必要があります。

大雑把に言って生理痛は、
①寒湿証
②温熱証
③気滞血瘀証
④気血両虚証
⑤肝腎不足証
に分けられるのですが、このうち、③と④のタイプです。

どのようなタイプなのかを詳しくお話しすると、

③の気滞血瘀証は
「周期が遅れがちで月経前や月経時に下腹部が張って痛むタイプ。
押さえるのを嫌がる。
出血の量は多くなく、色は暗紫色、血塊がある。
月経前に脇や胸が張って痛む。
感情的に不安定になりやすい。」
タイプの生理痛です。
(→要するに気と血の巡りが悪くてイライラ)

④の気血両虚証は
「月経の終わる間際や月経後に下腹部がシクシク痛む。
押さえると痛みが楽になる。
出血量は少なく、色も質も薄い。
普段から顔色が青白く、倦怠感があり、動悸や息切れがある。」
ようなタイプの生理痛です。
(→要するに気と血が足りなくてドンヨリ)

サバという食材には、気や血を補う「補気」「補血」の作用(④に大変有効)に加え、
「活血」という、血の流れをよくする作用があります。

和風の方のおさかなバーグは、さらに玉ねぎ、青じそ、大根おろし、という理気作用が強いものを混ぜていますので、

「気や血を巡らせてくれる」という意味で、③のタイプの生理痛がある方に大変おすすめなのです。

もしご本人やご家族が、このような症状の生理痛に悩まれている場合、
生理前に食べてみてください。

1回だけ何かを食べたからといって、体質が劇的に変わるということはありませんが、
薬膳というのは、食べ物の効能と体のタイプをよく知って、食べ方に気をつけたり積み重ねたりしていくことです。

私自身が若い頃、本当にひどい痛みに悩まされていて、中医学を勉強し、体質改善したという経緯があるので、
どなたかのお役に立てたら、と思って書きました。
参考にしていただければ幸いです。


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